[お知らせのホーム]>[No.1701 2009年4月27日号]
勝ち残る店シリーズ ー家具小売店―生活空間の中には必ず家具が存在する。家具は「生活スタイル」を決定する役割を果たしている。 1. 家具小売業の現状@家具店数と年間販売額家具小売業は、07年時点で一万一千店存在し、年間販売額は一兆三千六十六億円となっている。 しかし、最近の推移をみると、店数、年問販売額ともに減少し続けている。 一店当たりの数値でみると、年間販売額は縮小傾向にあるものの、売場面積は拡大傾向にある。04年に500平方メートルを超え、07年は600平方メートル近くに達し、店の大型化は着実に進んでいる。家具小売店の数を従業者規模別にみると、2人以下の店で三千九百店、3〜4人の店で二千六百店と両者で六千六百店に達し、全体の65%を占める。多くの小売業と同様、家具小売業も夫婦やその家族などを含むわずかな従業員できりもりしている店が多い。 そして、これら中小の小売店の多くは、消費者二ーズや住環境の変化、大型の家具量販店、ホームセンターや通信販売業者との競争などにより大幅にその数が減少しているのだ。 A消費者の変化よく耳にする人口減少。これは危機ではないととらえる。肝心の世帯数を考えてほしい。確かに人口減少により世帯人員は減る。しかし、家族形態はそれを上回るスピードで細分化が進み、単身世帯や夫婦のみの世帯をはじめとして世帯の数は増え続けているのだ。 2. 経営改善の方策@家具品揃えの方向性大切なのはお客に望ましい「生活スタイル」を売ることである。そのためには、お客の向こう側にある生活を考え、住空間をコーディネートする視点で商品構成を考える。 同時に、扱う商品自体のスタイルを絞り込むことも重要である。何でも取り揃えた商品構成ではお客に店の主張が伝わらない。店が提案するスタイルを決めよう。守備範囲をきっちり固め、その範囲で消費者二ーズにきめ細かく対応することが重要だ。 A生活雑貨を揃える花瓶、ミラー、時計、ダストボックス、ランチョンマットやトレー、食器類、照明器具など様々な商品を品揃えしたい。その際も、店のスタイルに合わせて、デザインと素材、色を決めていく。これによってメインの商品である家具との相乗効果を積極的に高めよう。 高価な家具には、衝動買いを望むべくもないが、生活雑貨にはそれが期待できる。生活雑貨の購入をきっかけとして、いずれは家具を購入しようという気持になるかもしれない。 3. 販売方法の見直し来店して、その場で高価な家具を購入できる人は少ない。たいていの場合、検討を重ねて購入に結びつく。目の前の商品が自分にとって本当によいものかどうか不安を抱いているからである。あるいは、購入までの過程を楽しみたいという期待が働いているからである。専門店としては、この不安と心理に上手に向き合いたい。 4. 売場の見直しお客が店に来る理由を考えてみよう。お客は、そこで実際に、商品を目にし、触れて確かめる。そんな経験を経てから購入したいと思っている。だから来店する。 よって、売場構成を見直して、このような来店客の期待に充分に応えなければならない。通信販売にはない、絶対的アドバンテージだ。 「生活スタイル」を売るには、「生活シーン」を空間として体現し、そこに商品を配置することが必要である。リビング、ダイニング、キッチンなど各種「生活シーン」をコーナーとして展開するのだ。商品を生き生きとみせる方法はこの方法がよい。売場面積の制約もあろうが、可能な範囲で積極的に取り組みたい。 (もてぎみえ 中小企業診断士) 商売・融資資金繰り・生活等、何でも相談にのっています。○取引先から仕事を打ち切られた 記帳相談会のお知らせ日時:5月21日午後1時〜3時 誰でもできる民商開発パソコン記帳、手書き記帳はカンタンなシート帳、市販の会計ソフトの相談も受付けています。 無料法律相談日のお知らせ日時:5月12日(火)午後1時 京商連第38回定期総会日時:5月24日(日)午前10時 |