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2009年4月20日号 No.1700

勝ち残る店シリーズ−酒小売業 リカーズのだや−

酒類全般の製造量の推移をみてみると一九九〇年代前半まで増加し続け、その後二〇〇〇年前半まで横ばいで、それ以降、現在まで減少が続いている。長年の主役であるビールから、発泡酒や第三のビールの登場、そして日本酒や焼酎ブームなど消費者の嗜好は大きく変化している。

一九九〇年代前半までは、事業所数は横ばいであるが、販売量は増加しており、お酒屋さんは大きく業績を伸ばしている。しかしその後一気に事業数、販売量共に減少し、業績は急激に悪化している。これは、一九八九年に酒販売免許制度が改正され、スーパーやコンビニエンスストアにおいても販売が可能となり、「お酒の買い場」がスーパーや量販へと移り変わっているためである。

以降に紹介する「のだや」の取組みが、こういった厳しい環境の中で勝ち残っていくためのヒントになれば幸いである。

家族の援護

「のだや」は、先代(現社長の父)が一九三五年に当地で味噌屋として産声を上げた。一九六四年に現社長が二代目として事業を継承し、それと同時に社業を「酒屋」に転換した。

社長日く「面白いほど売れた」「店で待っていても売れた」そうだ。当時を振り返ると、「酒を売っていた」のではなく、「酒を運んでいた」という表現の方が的確である。二代目が酒屋を始めて約三〇年後の一九九〇年台前半に「のだや」にも大きな転機がやってきた。それは、酒販売免許制度の改正と酒類に対する嗜好の変化である。「のだや」もその変化を受けて次第に売上が減少した。

じり貧が始まって約五年が経った一九九六年頃、社長はいよいよ何とかしなければならないと危機感を感じるようになった。その時、「問屋さんから提供されるものだけではなく、自分の目で確かめ、自分が納得するお酒をお客様に提供しよう」と考えた。そこで地方にある日本酒の蔵元を巡ったり、ワインの勉強のために各産地を幾度も訪問した。

また、奥様はお店番が中心であったが、あるきっかけで有名な日本酒の蔵元へ毎月泊りがけで勉強会に参加することになった。奥様はさらにお酒の知識習得に目覚め「?酒師(ききさけし)」の資格を習得したのである。社長も「ワインアドバイザー」の資格を取得した。こうして、今までお店番だった奥様が「のだや」の戦力に加わることとなった。お店を継ぐこととなった次男(三代目)の強みは、既成事実に捕われない自由な発想とIT技術の利用である。次男は、情報誌の発行、HP(ホームページ)やブログの開設、地酒やワインを楽しむ会、ネット販売など現社長だけでは絶対に成しえなかった様々な施策を講じている。

「価値」の提供

お酒の価値をお客様に伝える場合には、コンセプトを明確に持つこととそれを伝えることが重要である。それでは、「のだや」のコンセプトは、何であろうか。日本酒の場合は、「食事に合い、お燗しておいしく、家で楽しめるお酒を提供すること」である。ワインに関しては、自然な造りのワインを中心に選んでいる。一般的には、輸入ワインの方が粗利が良く、売上げ構成比率が高くなる傾向であるが、彼ら(生産者)の思いを伝えるために国産ワインも多く取り扱っている。日本酒は、実際に酒を味わい、蔵元と話し合って蔵の方向性やコンセプトを確かめてから取引を開始している。酒を紹介するというよりはその酒蔵を紹介するという気持ちで各蔵のお酒を幅広く扱っている。

その他の様々な施策を紹介しよう。毎月、情報誌「ここに幸(さけ)あり」を発刊している。次にHPの開設であるが、全て自分で作成しているため、コストがかからない上にリアルタイムに修正できる面がメリットである。またHPからブログヘリンクされており、ブログでは、お酒に関する裏情報なども記載されている。また、HPでネット販売も行っている。ネット経由やメールでの受付に変更したことにより、誤配率が激減した上に、顧客リスト作成も容易にしている。最後に「地酒を楽しむ会」を紹介する。毎月一回、地酒を楽しむ会を開催している。地酒だけではなく、ワインの場合もある。

ここまで勝ち残るための「のだや」の色々な施策を紹介してきた。気付いた方も多くいるとは思うが、「のだや」はお酒を売ってはいるが、決してそれが目的ではない。お酒という媒体を通して、お客様に「価値」を提供しているのである。つまり、お客様もお酒を飲むこと自体が目的であることはそれ程多くない。そこには、色々な場面があり、想いがある。「のだや」は、その場面の演出を援助しているのである。

のだやのウェブサイト:ネットののだや

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