[お知らせのホーム]>[No.1863 2012年9月17日号]
社会保障制度の危機!国と自治体が責任放棄、「社会保障制度改革推進法」の実態8月10日に消費税の増税法とセットで成立した「社会保障改革推進法」。さまざまな問題点が明らかになっています。この法律は、「税と社会保障の一体改革」法案と同時期に民主・自民・公明3党の談合を経て国会に持ち出され、まともな審議もされないまま成立しました。 消費税を社会保障の財源に=今後さらに増税この法律では、「安定した財源を確保しつつ持続可能な社会保障制度の確立を図るために」「基本的な考え方」と「基本となる事項」を定めるとしています。安定した財源というのは消費税のことで、これで社会保障をまかなうとなると10%では足りず、20%ぐらい必要と言われています。つまり今後も引上げていくことが前提で議論がされているということです。そもそも、どうして所得の低い人ほど負担率の重くなる消費税で社会保障をまかなわなければならないのか、税金の集め方に問題があることは言うまでもありません。 国の責任放棄は、憲法第25条に違反する法律の基本的な考え方として、「自助・共助・公助の最適バランスに留意し、自立を家族相互、国民相互の助け合いの仕組みを通じて支援していく」と書かれています。自助とは自分や家族で対処、共助とは地域や仲間で対処、公助は国や自治体が助けることです。この考え方によると、自立した生活を家族や国民どうしの助け合いによって支援していくのが社会保障だとされています。国や自治体の役割はこれを支援していくにとどめられています。 もちろん家族や地域での助け合いを否定しているわけではありませんが、その枠組みからもれてしまう人や、その枠組みでは対処できないことも出てきます。そのときに国や自治体が生活を「支援」ではなく「保障」していくのが社会保障のはずです。 憲法第25条にはこう書かれています。 1項「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」2項「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆の衛生の向上及び増進に努めなければならない」 国が社会保障の責任を放棄して、国民どうしで何とかしてください、ともとれる同法律は、憲法に違反していると言わざるを得ません。 社会保障→保険主義へ年金、医療、介護については、加入者(国民)は支払った保険料の範囲で給付をおこなう仕組みにするということが書かれています。負担しないものには、給付しないと言っているのに等しい内容です。ここでも、憲法25条を否定しています。そもそも社会保障の理念は、必要があれば給付、負担は所得に応じて、が原則です。東日本大震災で被災した人で、税金を払っていない、健康保険を払っていないからといって支援が受けられなかった人はいません。これが憲法25条に基づいた社会保障なのです。 この理念を投げ捨てて社会保障を大改悪していく土台となるこの法律の危険性を広く知らせて、撤回させましょう。 2013年 税法が変わる 税務署が変わる
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